大分建設新聞

四方山

追及

2024年03月19日
 先の大戦末期、日本は本土決戦のため、武器のほかに食料、衣料などの大量の物資をため込んだ。各地の軍の基地に備蓄された。敗戦と同時に、これらの軍需物資は、武器などを除いて民需物資として民間に放出され、飢餓に直面する国民を救うはずだった。だが、いつの間にか消えた▼それだけでない。国民から供出させた大量のダイヤモンド、金などの貴金属は日本銀行の大金庫に保管されていたが、それも消えていた。敗戦の混乱に乗じてとてつもない規模の国民財産が蒸発していた。国も手をこまねいていたわけでない。遅まきながら終戦から2年後の1947年、国会に隠退蔵物資等処理委員会が設置され追及に乗り出した▼摘発の様子は華々しく報じられ、中心となった世耕弘一衆院議員の名前から同委員会は「世耕機関」と呼ばれた。いま、自民党安倍派の裏金事件で世情をにぎわす世耕弘成・前党参院幹事長の祖父である。戦後80年近くを経て、孫は隠匿物資ならぬ裏金問題で追及を受ける身となった▼安倍派幹部の1人として、参院の政治倫理審査会に出席した世耕氏であったが、政治資金パーティー収入の全額環流(キックバック)については「知らない」を繰り返すばかり。党内きっての雄弁家として知られるシャープさは影を潜めた。政治資金としての収支報告書に未記載だった問題については「秘書に任せた」とも▼責任を負わされた秘書に同情したくもなるが、時を同じくして世耕氏の地元、和歌山在勤の秘書が話題の渦中に。あろうことか、和歌山市内で開かれた自民党の会合に出席し、過激な衣装の女性ダンサーに口移しでチップを渡していたことが発覚した。チップについては「還付金を原資とするものは1円もない」ときっぱり。同じ還付金でも覚えていることもあるらしい。(熊)
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