大分建設新聞

四方山

故意と過失

2024年03月21日
 2023年の交通事故死者数は全国で2678人、大分は32人だった。1970年の1万6765人をピークに減少傾向をたどっていたが、2021年の2636人になってからは横ばいとなっている。こうした中で最近話題になっているのが01年に施行された公訴時効20年の危険運転致死傷罪だ。制定されたきっかけは、飲酒運転のトラックが女児2人を死亡させた1999年の東名高速飲酒運転事故とされる▼飲酒やスピード違反などで「正常な運転が困難な状態」が同罪を適用する要件となっているが、いざ裁判となるとこれを立証するのが困難であるため、2021年に大分市内で発生した196㌔走行による事故も当初は公訴時効10年の自動車運転過失致死での起訴だった。また、別府の八田與一容疑者が起こした事件も自動車運転過失致死容疑となっている。私はこれらは殺人じゃないかと思っている▼殺人罪を適用するためには、人を殺す意思があること(故意)、人が死ぬ原因(例えば包丁で刺すなど)の行為を行うこと、結果として人が死ぬことが必要で、殺す意思がなければ過失致死罪や傷害致死罪となる。ところで、包丁で殺せば殺人で、なぜ車で殺せば過失致死罪なのか。この場合「包丁は凶器で車は凶器ではない」というのが常識で、歩行者天国などで車を暴走させた場合などを除き「故意」を立証する壁となっている。しかし車は包丁よりも大量殺人ができる凶器なのだ▼酩酊状態や猛スピードなどで正常な運転が困難な状態となった、あるいは執拗なあおり運転で他者の運転を妨害した場合などは、加害者は事故を容易に防げずに死んでも構わないと考えている「未必の故意」があることを前提に、裁判では加害者が故意なしの証明ができなければ、故意に事故を起こしたとすべきだ。(筋)
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