大分建設新聞

四方山

建設廃棄物

2024年04月19日
 環境省が3月29日に発表した2021年度の「産業廃棄物の排出及び処理状況等」によると「建設業」から排出された産業廃棄物の量は8094万㌧に上る。業種別では「電気・ガス・熱供給・水道業」の9948万㌧、「農業・林業」の8169万㌧に次いで3番目の多さだ▼重量的には「がれき類」「(建設)汚泥」などの排出量が多いため目立っているのだが、例えば「がれき類」は再生砕石として96%という高い再生利用率となっており、リサイクルの貢献度は大きい。複雑なのは、再生砕石の需給は地域によって違いがあり、まだら模様を呈していることだろうか▼それでもまだリサイクルにめどが付いているものはよい。最終処分が多い「ガラスくずおよび陶磁器くず」「廃石綿・石綿含有廃棄物」、そして分別・選別後にどうしても発生する「混合廃棄物の選別残さ」などについては、現状では一部可燃物は焼却・熱回収にまわせるものの、多くは埋立処分にまわすしか手段はない▼近年、欧州委員会が「循環経済(サーキュラー・エコノミー)」を唱え、着々と施策を進めているが、全てのものが「循環」できる訳ではないことは、世界に先駆けて3R(リデュース〈発生抑制〉、リユース〈再使用〉、リサイクル〈再生利用/再資源化〉)を進めてきた日本の事業者ならばよく承知していることだ▼世界的なサーキュラー・エコノミー推進という潮流の一方で、多くの産業では「循環」させることが困難な複合材化が進んでいる。建設業界もその渦中にある。リサイクル困難物をいかにしてリサイクルにまわし、その過渡期として適正処理していくか。紆余曲折はあったが、大分県は国内の適正処理でも重要な役割を担ってきた。リアルな現場サイドから発信できることは少なくないはずだ。(康)
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