ツバクロ
2025年04月14日
春になると、旬を味わうことが多くなる。代表的なのはワラビ、ゼンマイ、タケノコだろう。そのほかにもタラの芽やコシアブラの新芽、ウドなど。あまり知られていないが、ニワトリが好んで食べる「ハコベ」は天ぷらが最高にうまい。この季節は、山菜が食べ放題といったところか▼先日、散歩をしていると、毎年、春になると聞く鳴き声が。見上げると電線に「ツバメ」が止まっているではないか。赤道に近い地域から生まれ故郷に戻ってきたのだろう。「友有り、遠方より来たる、亦た楽しからずや」と、孔子の論語の一説をつぶやく。同じ日、ヤフーニュースでは、1枚のツバメ写真が掲載され「お帰りなさい」と言葉が添えられていた▼ツバメは、古くはツバクラメあるいはツバクロとよばれ、北半球の広い範囲で繁殖する渡り鳥の一種だ。日本では屋久島以北で繁殖するという。日本で繁殖するツバメの主な越冬地は、台湾、フィリピン、ボルネオ島北部、マレー半島、ジャワ島など。容姿は、漆黒色の翼で腹は白く、喉と額は赤い▼昔、農家の家には土間が造られその土間の天井や、昔造りの大きな軒下には必ず、ツバメが巣を作っていた。泥と枯草を唾液で固めて作るのである。子どもの頃、興味があるのではしごを上って見ようとすると、親から叱られて「大切に巣を守れ」と言われた。遠方から海を渡って帰って来たからと、親鳥が入れるように玄関の戸を少し開けておくのが習慣だった▼東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターは、おなじみ「つば九郎」。2月19日、つば九郎を支えてきた球団社員スタッフが急逝したと発表された。以後、活動は休止中である。「空中くるりんぱ」などキャラクターは最高だった。「お帰りなさい」と言える日を待ってるぞ~。(勇)