大分建設新聞

四方山

減税論

2025年05月01日
 いろいろな物価指数があるものだ。「カレーライス物価指数」まで存在することを最近知った。民間の調査機関、帝国データバンクが考案したもので、家庭でカレーライスを調理する際の費用を示したものだ。原材料が肉、野菜、米と多品目に渡り、光熱費もそれなりにかかることから、物価の動向が可視化しやすいという▼同社によると、今年2月のカレーライス物価は1食あたり407円。1年前の319円に比べて27・6%も上昇した。2020年平均を100とした場合、2月のカレーライス物価指数は148・4となり、5年間で倍増した計算である。庶民の定番料理は、今や高級料理になろうとしている▼何しろ今年8月までに値上げする品目は、1万品目を超えるという。つい最近までデフレと言われていたのに、物価高が当たり前のインフレ経済に突入したよう。2月の消費者物価総合指数は前年同月比3・7%上昇で、主要7カ国では4カ月連続で首位に。それに比して2月の実質賃金は1・2%減で、物価の上昇に賃金が追いついていない状況が続く▼トランプ米大統領による関税ショックを「国難」にたとえる石破茂政権は一時、国民一律の現金給付を検討。5万円、10万円という景気のいい声も上がったが、いつの間にか立ち消えに。永田町では、石破氏が新人議員に10万円の商品券を配布した問題を引き合いに出されるのを嫌った、という説が流れる▼夏の参院選を控え、立憲民主党は公約に1年間の「食料品の消費税ゼロ%」を盛りこんだ。政府与党内からも消費税の減税論が高まり、早くも消費税率が参院選の争点になる勢いだ。だが消費税は社会保障費に充てる目的税である。そのツケを払わされるのは国民である。目先の票集めに狂奔する政党。減税後の手当てにも注視が必要だ。(熊)
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