大分建設新聞

四方山

平和の祈り

2025年05月07日
 「主よ、わたしを平和の器とならせてください。憎しみがあるところに愛を、争いがあるところに赦しを、分裂があるところに一致を、疑いのあるところに信仰を、誤りがあるところに真理を、絶望があるところに希望を、闇あるところに光を、悲しみあるところに喜びを」。これは聖フランチェスコの「平和の祈り」の一節である。先日亡くなったフランシスコ教皇の名前は、この平和の祈りを説いたアッシジの聖フランチェスコから来ている▼新教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」が昨日始まった。きょう8日には、新教皇は決まっているのだろうか。選挙では3分の2以上の得票を得る人が出るまで続けられるという。選挙に参加する枢機卿たちの「根競べ」だ▼私が「平和の祈り」を知ったのは、大学生の時に読んだ朝日新聞の社説「天声人語」である。はるか昔のことだが、当時読んだ時に感銘を受けたのを覚えている。「平和の祈り」の精神を持てば争いなどは起きないが、いつの時代も戦争や紛争が世界各地で起きている。聖フランチェスコ、フランシスコ教皇も、きっと憂慮していることだろう▼アメリカのトランプ大統領が「コンクラーベ」に関連して自身が教皇に扮した画像を投稿した。世界中で非難を受けてか、自身ではなく誰かが投稿したもので「冗談だからいいじゃない」と言ったそうだ。さらにスターウォーズの日に合わせ、自身が「ジェダイ」に扮した画像も投稿した。ジェダイは銀河の平和と正義の守護者である。何を考えているのやらとあきれてしまう▼インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で衝突し、拡大が危惧されている。もうこれ以上、世界情勢の悪化はやめてほしい。「平和の祈り」を祈らなくて済む世界になるのは、いつのことになるだろうか。(せい)
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