コメ
2025年06月11日
備蓄米放出のニュースが止まらない。5㌔当たりの値段がいくらになったのか連日放映されている。消費者のインタビューではようやくコメが手に入ったと笑顔で語る姿が目についた▼その値段だが、令和6年産米は5㌔で6千円以上していたものが、備蓄米を小売業者に直接売り渡したので流通コストが下がり3年産米は2千円程度になり、これから放出予定の2年産米では1700円程度になると小泉大臣が言っていた。はたして妥当な値段はいくらなのか私には見当がつかない▼農水省によると、コメの生産コストは令和3年産60㌔の玄米で全国平均1万4758円となっている。5㌔では1230円になるが、これはあくまでも生産コストの話で、白米にするコストと白米にすることによる目減り、生産者から消費者に届くまでの流通コストや収穫が年1回であることによる倉庫費用など、さまざまなコストがかかる▼よく考えてみると、政府はいったいいくらで備蓄米を売り渡したのだろうか。また、備蓄米を仕入れたときの値段はいくらか。もしも仕入れ値より販売額が安いとすれば、それは税金を投入したことになるのではないか。今回の備蓄米放出は市場にコメを行き渡らせるには効果があったと思うが、予定価格をはじめとする随意契約の方法や税金がいくらかかったかなど検証が必要ではなかろうか▼コメ農家に聞くと、5㌶以上作付けしないと生活できないとのこと。コメ作りの特徴として田植えと収穫時期に集中して労働力が必要なので、5㌶以上の作付けをするとなるとトラクター、田植機、コンバインなど多くの機械が必要で、購入・維持費用は多額となる▼高齢化で離農者が多くなる中、今回のコメ騒動で農家が生産意欲をなくし日本のコメが食べられなくならないか心配で夜も寝られない。(筋)