終活
2025年07月09日
「ひとりでしにたい」というTVドラマがNHKで始まった。初回はかなり衝撃的で、主人公の叔母が孤独死で発見が遅れたため、風呂の中で腐敗して原型を留めていないというシーンから始まった▼40代目前で独身の主人公は、未来の自分の姿を重ね合わせ、最初は一人で死にたくないと婚活を始めるなどして焦るが、親の姿など周囲の現実を見つめることで一人で死にたいと思うようになり、終活を始めるというコメディタッチのドラマだ▼厚生労働省によると、2022年6月2日時点の世帯数は全国で5431万世帯あり、このうち単独世帯が1785万2000世帯で全体の32・9%を占めている。実に3世帯に1世帯が一人暮らしということになる。そして、孤独死が心配な65歳以上の独居老人は、873万世帯にもなるそうだ▼私も独居老人の一人だが、自分の最期がイメージできないでいる。とりあえず自分で自分の面倒が見られなくなったら、訪問介護や訪問看護に頼ろうと思っているが、少子高齢化社会で人手不足の世の中、自分の思惑通りには行かないかもしれないと半分覚悟している▼老人の場合は、福祉の見守りなどがあり、死んでから何年も放置されることはめったにないと思うが、無職で近所付き合いの無い若い人が孤独死した場合は、発見が遅れることがある。私の知人などは死んでから推定で13年後に発見され、火葬が不要なほど臭いもしないきれいな白骨になっていたらしい▼誰かに看取られて最期を迎えたいとは毛頭思っていないが、せめて人間の形をとどめているうちに見つけてもらいたい。一方で徹底的に白骨化してからでも悪くないかとも思う。病死・事故死など死因はいろいろあるが死ぬことに変わりはない。一人で死ぬために元気で楽しい終活をやっていきたい。(筋)