あんぱん・方言
2025年09月05日
「たまるか~!」というこの方言、意味がわかりますか?「負けてたまるか」の「たまるか」とは全く意味が違って、驚きや感動を表す「わあ、すごい!」の意味で使われる土佐言葉、高知県の方言なのだ▼「アンパンマン」の作者で高知県出身のマンガ家やなせたかしさんと妻の生涯を描いたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」が人気だ。昭和初期の高知県からスタートし、ドラマで盛んに使われてきた土佐言葉がお茶の間でも受けているという▼「リアルで面白い」「味わい深くて癖になりそう」と評判は上々。別れるときに使う「じゃあまたね」を「ほいたらね」と言うのもかわいらしい。「…してるから」は「…しちゅうき」、「…だから」は「…やき」といった具合だ。以前、東京で同業者との情報交換の会議によく出席したが、高知の会社の専務が方言丸出しで「…しちゅうき」などと使っていたのを思い出して懐しかった▼方言では大分県も負けてはいない。「よだきい」を筆頭に「めんどしい」「ちちまわす」「せちい」「いびしい」「せせろしい」など多彩である▼だが待てよ…気のせいか、かわいらしい土佐弁に比べると、「げさきい」言葉がやや多いような…。ずいぶん前、東京の電車内で友達からの携帯電話に出たとき。周囲に大分弁を聞かれるのが「めんどしく」て慣れない標準語で話してしどろもどろになったことがあった▼かと思うとこんな笑い話も。生粋の大分県人のおっさん同士が東京の喫茶店で支払いになった時の事。互いに自分が支払うと言い張って、レジの前で「イイチャ、イイチャ」「イイチャ、イイチャ」と何度も言い合っていたら店員が外国人と間違えて英語で話し掛けてきたという。2人とも日焼けしていたという落ち付きだ。ヤッパ方言はオモシリイ。(政)