大分建設新聞

四方山

尾畠春夫さん

2025年10月17日
 大分県内に住み全国に知られている人を2人挙げるとすれば、まずは101歳の元総理大臣村山富市さん(17日逝去)。そしてもう1人は〝スーパーボランティア〟の尾畠春夫さんではなかろうか▼7年前、山口県の山中で行方不明になり大捜索でも見つからなかった2歳の男児を発見・保護して一躍、時の人になった。それをきっかけに東日本大震災の被災地などで長年続けてきた地道な支援活動がクローズアップされた。豊富な知識と経験に裏打ちされた活動からスーパーボランティアと呼ばれ、その年の流行語大賞の一つに選ばれた。茶目っ気がありユーモアのセンスも抜群。受賞式への招待に対し「ワシはスーパーでもコンビニでもねえ、ただのボランティアじゃ」と断って周囲をあぜんとさせた▼10月12日に86歳になった。誕生日の前日にあった100㌔ウオーク(行橋―別府)に挑戦するなど、意気軒昂なスーパー老人だ▼さて、その尾畠さんの「長年の夢」がついに実現しそうなのである。家が貧しく小学校5年生から農家に住み込みの奉公に出され、中学校にはほとんど通えなかった尾畠さん。「夜間中学で学びたい!」との思いを募らせてきた▼これまで県内には夜間中学がなかったが、県内初の県立夜間中学「学びケ丘中学校」が大分市上野丘の爽風館高校内に設置され、来春の開校が決まった。家庭の事情など、さまざまな理由で学校に通えなかった人が学べる学校。すでに23人が入学を希望しており、尾畠さんも入学の意向を伝えているという▼日出町に住む尾畠さんに、「大分市の学校までどうやって通うんですか」と聞いたら、「歩こうかと思うちょる」と真顔で答えたのには驚いた。尾畠さんと知り合って久しいが、その言動はいつも常識破りの〝スーパー〟でびっくりさせられる。(マサ)
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