インターンシップ
2025年10月28日
先日、閉校して10年がたつわが母校の小学校を、犬の散歩がてら訪れてみた。校舎は私が入学した年に改築された。40年以上が経過していることもあり、汚れていたが、校庭はきれいだった。地域の方が維持管理してくれているからだ。しかし、昔のように子どもの声が校庭に響くことはない。夕暮れにたたずむ校舎は、さながら「兵どもが夢の跡」である▼学校の統廃合は少子高齢化の中、避けられない現実だろう。文部科学省によると、2004~23年の間に全国で閉校した小中高校は8850校。大分県は廃校数で17位の204校で、小学校141校、中学校36校、高校27校。これからも増えていくことだろう▼先週、県内の工業高校の建築・土木科2年生のインターンシップが開かれた。取材で数社の現場にお邪魔して生徒たちの話を聞いた。自身の考えをしっかり持ち、学校で学ぶことのできない知識や経験を吸収しようという姿勢には心を打たれた。同時期に高校生のわが息子も、科は違うが同様のインターンシップに参加しており、ついつい取材した生徒たちを親目線で見てしまった▼親としては、仕事のやりがいや厳しさ、社会人になる自覚などを学んでほしいと思っていた。取材した生徒たちの熱い気持ちと比べるとやや劣るかもしれないが、息子にもこれからの道筋が少し見えたらしい▼実習先の企業では大変良くしてもらったと言っており、保護者の1人として協力いただいた建設業協会をはじめ、各企業と行政機関に感謝を申し上げたい。インターンシップは生徒たちの将来に向け貴重な経験になったはずだ▼人手不足はどの業界でも深刻だ。大分県は産学官連携による建設産業の人材育成に取り組んでいる。未来を担う若者を育成するためにも、私たちも紙面で精一杯協力していきたい。(せい)




