大分建設新聞

四方山

火の用心

2025年12月02日
 11月18日夕方に発生した大分市佐賀関の大規模火災。折からの強風と密集した住宅地のため消火活動に手間取り、半島部分は28日にようやく鎮火。焼失面積は約5㌶、住宅など約170棟が焼けた。現在も多くの住民が避難所に身を寄せており、市は2次避難所に移れるよう準備中。支援の輪も広がっている▼消防白書によると、2021年から火災件数は増加を続けている。23年中の出火件数は3万8672件(対前年比6・5%増)で、1日当たり106件。建物火災が全体の54・2%で、出火時期では春季(3~5月)と冬季(12~2月)で57%を占める▼冬季は乾燥による林野火災も増える。林野火災の原因の多くはたき火などの不注意によるもの。県では例年春先に火災予防運動を展開し、たき火の火の始末の徹底や、気象状況などを踏まえた火入れに注意するなど、林野火災予防を呼び掛けている▼林野火災は延焼が早く鎮火までに時間を要し、広範囲の消火が必要になる。今年2月に発生した岩手県大船渡市の林野火災では鎮火まで41日かかり、同市の面積の1割に相当する約3370㌶を焼失した。原因は明らかになっていないが、薪ストーブの煙突から出た火の粉の可能性が高いらしい▼人的要因といえば、11月26日に発生した香港の高層マンション群火災の原因追及が続いている。大規模修繕工事に伴う可燃性の高い資材や、火災報知器の不作動が延焼原因ではないかとされる。警察は工事関係者13人を過失致死の疑いで逮捕した▼出火原因で多いのは「たばこ」と「たき火」がそれぞれ9%、「こんろ」が7・3%(前出の消防白書より)。火を扱うには重大な責任が伴う。私たち一人ひとりが火災予防に対する意識を高く持つことが大切だ。特にこれからの季節、「火の用心」をお忘れなく。(コデ)
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