不祥事
2025年12月08日
タレントの国分太一さんが「コンプライアンス違反」を理由にブラウン管から消えて半年近く。雲隠れを決め込んでいた国分さんが先日、記者会見に臨み、降板劇の発端になった日本テレビに対して、何が問題だったのか明らかにしてほしいと、涙ながらに訴えた。「答え合わせをさせていただきたい」などと「答え合わせ」という言葉を12回も繰り返した▼だが、当の日本テレビは「プライバシー保護」を理由に「答え合わせするまでもない」と、国分さんの求めを一蹴した。「何がまずかったのか」を当事者の国分さんにも視聴者にも語らないまま、「プライバシー」を錦の御旗に幕を引こうとする魂胆が見え隠れする▼公共事業を巡る入札妨害事件や、官製談合事件に揺れる大分市。足立信也市長は記者会見で自身と特別職らの給与カットに加え、300人の職員を対象に給与の一部の自主返納を求める考えを明らかにした。市の職員数は3400人規模。およそ1割の職員が影響を受けるという意味では、前代未聞の異常事態であろう▼それもそのはず。官製談合事件に伴う市の第三者調査委員会は、2009年度から16年間にわたり、156件の入札情報の漏洩があったと認定した。報告書は「市の貧弱な内部統制が一連の不正行為を引き起こした原因の大きな一つ」と断じた。市にとってこれほど厳しい言葉はあるまい▼なるほど、首をかしげる事案が続く。飲酒運転で事故を起こしながら通報せずに帰宅したり、過剰な暴言で部下を追い込んだり。いずれも幹部職員である。女性の尻を触って福岡県警の厄介になった職員もいる。市はその都度「綱紀粛正」を唱えるが、これだけ不祥事が重なれば、偶発的なミスとは言えまい。口先だけでない、地道な「答え合わせ」をしてきたのかが問われている。(熊)




