世知熟語
2025年12月22日
年の瀬の風物詩になった感のある「創作四字熟語」。今年の最優秀作は「孤軍奮闘」をもじった「古米奮闘」だという。備蓄している「古古古米」まで放出しての米価高騰対策は、まさに今年の世相だ。優秀作もトランプ関税を皮肉った「操虎関税」(元の熟語は相互関税)など粒ぞろい。思わずうなったのが「王位継承」ならぬ「公維継承」。公明に代わって維新が連立入りを果たした▼先ごろ閉会した臨時国会。隠れた主役は、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)だった。国会議員でもないのに、衆院定数削減という大看板を掲げて、自民を揺さぶった。ところが肝心の法案は足踏み状態。ならば「連立離脱か」と身構えるのが普通だが、ここからが妙だ。審議入りしなかったのは野党のせい―という理屈で、結局は政権にとどまるという▼そんな折、永田町に別の地鳴りが走った。所得税がかかり始める「年収の壁」巡り178万円に引き上げることで、自民が国民民主と電撃的に合意した。自民が国民民主の要求を「丸呑み」した格好である。これで国民民主の連立入りが、現実味を帯びてきた▼維新からすれば面白いはずがない。毎日新聞によると、維新若手議員からは「野党の国民民主に花を持たせるなら何のための連立なのか」とぼやく声が上がったという。一寸先は闇というのが永田町の常識。今日の主役も、明日は舞台から消えることも日常茶飯事である▼それにしても、強運の持ち主である。高市早苗首相のことである。少数与党ゆえに、公明の離脱で政権誕生さえも危ぶまれたのは、つい数カ月前だった。それがいまでは、維新と国民民主という二つの政党を手中に収めたようなものである。さながら「両党天秤」であろうか。ただ、天秤の先には、国民の暮らしがあることをお忘れなく。(熊)




