人間万事塞翁が馬
2026年01月05日
世間では多くが仕事始めの日、四方山もきょうが新年のスタートである。今年もよろしくお付き合いのほどをお願いしたい。さて季節は暦の上の「寒の入り」(小寒)。これから1カ月が1年で最も寒い時期を迎える。春が待ち遠しい日本列島だが、昨年はいろんな災難に見舞われた年だった▼物価高、猛暑、地震、クマ被害…県内では佐賀関の大規模火災が記憶に新しい。年が明けて「今年こそは良い年に」との思いが募る。今年の干支は60年に1度の丙(ひのえ)午(うま)。「勢いがある良い年」とされている▼馬にちなんだことわざで、一推しで挙げたいものに「人間万事塞翁が馬」がある。困難に出会った時に思い出したい格言である。iPS細胞研究でノーベル賞を受けた山中伸弥さんや元プロ野球選手の松井秀喜さんらも座右の銘にしている▼そのストーリーをおさらいすると…昔、中国の塞(とりで)の近くに住む翁(老人)の馬が逃げていなくなった(不運)→しかし、数カ月後、その馬が足の早い馬を連れて帰ってきた(幸運)→しかしその足の早い馬に乗った息子が落馬して骨折してしまった(不運)→しかしその骨折のせいで息子は徴兵されず戦死を免れた(幸運)―という話▼二転三転、不運の後に幸運が、幸運のあとに不運が、そしてまた幸運が…。という訳で、「何が幸いで何が災いかはその時点ですぐには判断できず、長い目で見ることが大切」といった教訓で使われる。山中さんはある大学での講演でこのことわざを引用し、「人生の出来事に一喜一憂せずどっしりと構え、良くないことも〝これはチャンスかもしれない〟と考えてほしい」と若者に諭している。2026年が輝く明るい年なってほしいが、そうはいかない予感もするだけに「塞翁が馬」の格言を肝に銘じておきたい。(マサ)



