大分建設新聞

四方山

なくて七癖

2026年01月26日
 若いころから麻雀が大好きで、フリー雀荘(見知らぬ客と対戦する麻雀店)にも入り浸った。その時に親しくなった店のマスターからそっと教えられたことがある。「あんたは聴牌(上がれる状態になること)したら、牌を捨てるテンポが早くなる癖がある」。相手から手の内(聴牌していること)を見破られるのをそっと教えてくれたのだ▼「なくて七癖」とそのマスターは笑いながら言っていた。聴牌したらかなりの確率でたばこに火をつける人、急に黙り込んだり、逆にペラペラしゃべり出す人など、必ず何かの小さな癖があるという。麻雀のつわものは相手のそうしたわずかな癖を見逃さないらしい▼先日、NHKのスポーツニュースでサッカーのプレミアムリーグ、三笘薫選手が所属するチームの試合の一こまが紹介されていた。相手のペナルティーキックを見事に防いだキーパーが持っていた水筒。カメラがその水筒を大写しすると、選手の蹴る方向の過去のデータが「右○%、左○%」などと数値でびっしりと書かれていた。相手選手の癖を分析してデータ化し、失点を防いだチーム力をニュースでは絶賛していた▼面白いところでは、犯罪者にも癖があるという。昔、盗犯の刑事から聞いた話だが、家に入り込んで物を盗む窃盗犯には「空き巣」(留守宅に侵入)、「忍び込み」(就寝中に忍び込む)、「居空き」(家人が家にいるときに隙を見て狙う)の主に三つの手口があり、常習者の手口はこのうちのどれか一つで終生同じだという。犯罪者の悲しい〝さが〟なのか、手口には必ず癖がつきまとうものなのだ▼犯罪は困るが、さまざまな癖はその人の人間らしさそのものでもある。癖を欠点やマナー違反だとする風潮もあるが、互いの癖を笑って認め合うような寛容な社会であってほしい。(マサ)
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