大分建設新聞

四方山

ハラスメント

2026年03月18日
 雨の少ない日々が続く。記録的少雨の影響で、佐伯市の北川ダムでは水位が大きく下がり、水底に沈んでいた旧田代橋や旧時間橋が姿を現したと報じられた。とりわけ旧田代橋は「幻のアーチ橋」と呼ばれ、例年は春から数カ月だけ現れるのに、今季は昨年末から見えているという。別府の秘湯で湯が枯れる異変まで起きているというから、ただ事ではない▼はなはだ不謹慎かもしれぬが、その「幻の橋」の話に、どこか通じるものがあると思った。部下にパワーハラスメントをしたとして、日出町が課長補佐級の40代男性職員を減給1カ月の懲戒処分にした一件である。業務報告を受けた際、感情的な発言を複数回繰り返したとされる。驚かされたのは、事案が起きたのが2024年度だったことだ。少なくとも1年以上も前の話である▼もちろん、調査を経て処分に至るには時間がかかる。軽々に論じられぬ事情もあろう。ただ、処分を受けた当人には「今ごろになって」という思いが一瞬でもよぎらなかったか。水が引き、忘れた頃に橋がぬっと現れる。もしやそんな感覚を、課長補佐氏は味わったのではあるまいか▼「フキハラ」という言葉を初めて知った。不機嫌な態度を取り続け、部下を萎縮させる振る舞いを「不機嫌ハラスメント」―略してフキハラと呼ぶらしい。警視庁では実際にこれに当たるとして幹部が処分された。暴力や怒声がなくとも、職場の空気を凍らせれば十分に害になる、ということだろう▼セクハラや悪質なパワハラが論外なのは言うまでもない。とはいえ、職場から負の感情まで一切排除できるわけでもあるまい。要は、不機嫌になることではなく、その不機嫌で周囲を支配し、萎縮させることが問題なのだろう。緊張感のある職場と、息の詰まる職場とは、似ているようで違う。(熊)
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