正露丸
2026年03月23日
カップヌードルはダメで「カップ麺」、味の素も「うま味調味料」に書き換える―。新聞の一般記事に使う言葉にはいろいろな制約がある。原則として登録商標(その会社独自の商品名など)は使わずに、一般的な名称に書き換えている。あまりに耳慣れして一般商品名と思っているものが多い。「カップヌードルは日清食品の商品名だったのか…」と驚く方もいるのではないか。このほかエレクトーン→電子オルガン、セメダイン→接着剤など100くらいの書き換え例がある▼ところで、腹をこわした時、昔からあるあの独特な臭いの薬の「正露丸」。テレビでも宣伝され、ラッパのマークで知られる大幸薬品の正露丸が唯一の商品名だと思っていた。ところがさまざまな会社が正露丸を売っていると最近知って驚いた。調べてみると、正露丸の名称は老舗大手の大幸薬品が商標登録を申請し一度は登録された。ところがその後の裁判で「一般名称化している」として商標権無効の判決が確定。今ではほかに富士薬品などいろんな会社が正露丸の商品名を使っているという▼正露丸は以前は「征露丸」という表記だった。日露戦争で腸チフスや赤痢を防ぐための薬として兵士に与えたら、大きな効果があったとの逸話からきた名称。ブナやマツなどの木を炭化して精製した木クレオソートが主成分で、食あたり、下痢などに効く。なんといってもあのツーンとくる強烈な臭いが特徴で、いかにも効きそうだ▼わが家でも昔から常備薬となっていて、腹具合が悪くなった時にはこれが頼り。本当に効いているのかどうかはよく分からないが、あの漢方薬のような強烈な臭いが薬効を実感させる。時たま近くにいる人から正露丸の臭いがプーンとするとなんだか親近感が湧いてくる。そんな不思議な郷愁を感じる薬だ。(マサ)


