大分建設新聞

四方山

必ず克服できる

2026年04月21日
 記憶にはないが4歳の頃、原因不明の高熱と下痢が続き、医者からも見放なされたと母に聞いた。軒先に吊るした干し柿が原因だとされたが、幸い回復し、その後は大きな病気もせず強健と呼ばれた私が、20年程前突然、「パニック障害」を発症した▼上海行きの飛行機で、突然激しい動悸に襲われ、客室乗務員が中国語しか話せないことで不安は倍増。このまま死んでしまうのかと思うほどの恐怖に襲われた。現地でも症状は治まらず最悪な旅行となった▼国内のデータでは0・8%の人がこの病気を経験するらしい。3大症状として、パニック(動悸・めまい・吐き気など)、予期不安(また起きるのではないかの不安)、広場恐怖(起こった時にすぐ逃げ出せない恐怖)があり、治療は薬物療法と認知行動療法などとされている。私の場合、その後も予期不安に悩まされ、何をやっても心から楽しめず薬を手放せない日が続いた。公共交通機関にも乗れず、トンネルやエレベーターなどの密閉空間では過呼吸の症状が出た▼数年経って症状の対応にも慣れた頃、何度か訪れた事があるハワイへの社員旅行の話が出た。長時間の飛行機が不安だったが、悩んだ末に行くことを決意。薬の効果もあり、症状も出ずに存分に楽しむことができた▼この旅行が自信につながり、その後は症状も出なくなり、病気だったことさえ忘れてしまうほど。今では遠い過去の記憶となった。発症の状況と同じ状態で不安に慣れる「認知行動療法」が私に合っていたことと、命に関わるものではないと正しく理解することで完治ができた▼パニック障害は脳内にある神経伝達物質のバランスの乱れで起こるとされる。単なる気の弱さなどではないことを周囲も理解してほしいし、同じ病気で苦しむ人には必ず前に進めると伝えたい。(望)
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