採点
2026年04月27日
一読、思わずうなった。4月24日付の大分合同新聞の名物コラム「東西南北」。往年のアイドル歌手、松本ちえこさんのヒット曲「恋人試験」を引きながら、佐藤樹一郎知事について県民アンケート結果を基に「65点のひと」と評した。「恋人試験」ならぬ「知事試験」。しゃれたくすぐりに、寸鉄人を刺す最後の1行にドキリとした▼点数というのは、つける側とつけられる側で景色がまるで変わる。日本航空の鳥取三津子社長はこの3月、就任2年を振り返り「30点くらいじゃないか」と自己採点した。客室乗務員から初の女性社長へ。乗務員の飲酒問題などが発覚し、安全運航の根幹が揺さぶられた。乗客の命を預かる者の重圧が、この辛口の評点になったのかもしれぬ▼対照的なのが政治家だろう。例えば自民党の河野太郎衆院議員。2021年の行政改革担当相の退任会見で「100点満点で120点くらいいただけるんじゃないか」と胸を張った。ワクチン接種の加速が自信の裏付けだったようだが、答案用紙の枠からはみ出す豪胆さは、さすがというべきか▼上には上がいそうだ。そう、「史上最高の大統領」を自称するトランプ米大統領である。世界経済を揺るがす関税を乱発したかと思えば、1月にベネズエラに軍事介入し、2月にはイスラエルとともにイランを攻撃するなどやりたい放題。世論調査などでどんなに厳しい評価が下されても「フェイクだ」と一蹴してみせる。採点不可能であるが、自己評価はとてつもなく高いのであろう▼謙虚に省みる30点。自信にあふれる120点。採点そのものを拒絶する「史上最高」。佐藤知事の「65点」は、この物差しでみれば穏やかな合格圏といったところか。もっとも、その採点簿を手渡すのは県民である。早いもので、それは1年後に迫っている。(熊)

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