大分建設新聞

四方山

女性の活躍

2026年06月10日
 伝説的ハリウッドスターのマリリン・モンローが生誕100年を迎えた。スクリーンに咲いた金髪の女優を、世界は「セックスシンボル」と呼んだ。孤児院と里親の家を転々とした恵まれない少女時代を過ごした。逆境に抗う闘志と、華やかな容姿を武器にハリウッドの頂に立ったと思っていたが、とんだ誤解だった。確かな言葉を持つ女性であった▼出世作『紳士は金髪がお好き』に、こんなせりふがある。「大事なときには賢くもなれる。でも、たいていの男はそれを嫌がるの」。アドリブだったという。愚かな金髪美女を演じながら、役の口を借りて、男たちが牛耳る当時の映画界を強烈に皮肉った。彼女なりのやり方で、見えないガラスの天井を蹴り上げたのだろう。実は、夜学で文学を学んでいた▼県生コンクリート工業組合に、女性部が設立された。全国的にも珍しいという。私たちの業界は、長く「男の職場」というイメージで語られてきた。だが、時代は変わった。女性の活躍は、現場だけではない。事務を担い、品質管理に携わる女性たちの仕事が、業界の足腰を確かに支えている▼金田むつみ代表の言葉が心に響く。「女性同士のつながりを深め、学びの場をつくりながら、業界の発展や地域社会貢献へと活動を広げたい」。ふと、モンローと同じ1926年生まれの詩人、茨木のり子の最後の作品「倚りかからず」の一節を思い起こす。「倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」▼できあいの思想を拒否し、信じるのは自身の耳目。凜とした決意であろうか。モンローはこんな言葉も残している。「誰もがスターで、誰もが輝く権利を持っている」。生コン女性部の確かな一歩に、その一行を、そっと重ねてみたくなった。倚りかからずに灯る光は、いつの時代も静かにまぶしい。(熊)
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