大分建設新聞

四方山

火事とたばこ

2026年07月17日
 地元の新聞社に入社して間もないころ。大分市内の民家火災の現場に駆けつけた時のことだ。鎮火し取材も終えて一段落、ホッとしてたばこに火を付けたら後ろから怒鳴り声がした。「たばこは吸うな!火事現場ではみんな火にいら立ってるんや!」。先輩記者の大声だ。そうか…もっともな忠告に納得して慌ててもみ消した。その後、取材で多くの火災現場に行ったが「たばこはご法度」と心掛けてきた▼大阪市の繁華街・道頓堀で昨年8月、消火活動中の消防隊員2人が死亡したビル火災で、大阪府警は14日、火の付いたたばこをポイ捨てして建物を焼損させたとして、重過失失火容疑でビル内の飲食店に勤務していた男を書類送検した。また、昨年11月に香港の高層住宅で起きた168人死亡の大火災では、香港政府がこのほど「たばこの吸い殻の火が引火して燃え広がった可能性が高い」と発表した▼二つの火災ともたばこの火が大惨事を起こし尊い人命を奪った。亡くなった大阪の消防士は当時55歳と22歳。燃え盛るビルの6階に上がって果敢な消火活動中に取り残された。たばこの火…遠い昔の先輩の言葉を思い出した次第である▼私事で恐縮だが、喫煙は東日本大震災のあった2011年3月11日の直後にやめた。その日が誕生日で、友人と飲んだスナックで「4月からやめる」と宣言した。禁煙して一番良かったのは、あの罪悪感(健康を害する行為を日々繰り返しているという)から解放されたこと。そして金銭面も。好きだったマイルドセブンは当時1箱200円くらいだったが、今では580円だと聞いて驚くばかり。この15年間で200万円以上の節約になった計算だ。そして何よりの禁煙メリットは、火災原因で依然多い「たばこの火の不始末」など起こしようがないことである。(マサ)
名鑑CDバナー
取材依頼はこちら
arrow_drop_up
TOP