気を吐く新聞記者
2026年07月31日
胸のすくような特ダネである。福岡県議会の高額な海外視察問題など追及を続けてきた西日本新聞が7月5日付の朝刊1面トップで報じたカツアゲ疑惑。「自民幹部に2750万円」の大見出しで、県議会の議長・副議長ポストを巡る金銭の授受疑惑をすっぱ抜いた。その後も連日のようにトップ記事で問題を追い続け存在感を見せつけている▼全国紙、地方紙、多くの一般紙がこの10数年、部数を激減させ、かつての元気を失いかけている。オールドメディアなどと揶揄され、特に若い層からはインターネット、SNSにその影響力を奪い去られた感もある。そんな中で、時折見せるキラリ輝く独自ダネは新聞の真骨頂だ。特に、闇に葬られていた事案を白日のもとにさらし世に問う記事。権力の腐敗や不正を暴くジャーナリズムの底力は、新聞が生き残る術でもある▼西日本新聞社は福岡市が本社で、ブロック紙として九州・山口に宅配網を誇ってきた。だが、他紙の例にもれず近年は発行部数が激減。鹿児島、宮崎両県などで宅配を停止、記者数も減らした。名物の九州一周駅伝や花火大会などの主催イベントもやめ、豆腐販売など多角経営にも乗り出している。かつての盤石な経営ではなくなっているのだ▼そんな苦境の中で、人数を減らされた記者たちの意地の奮闘である。大分の県紙・大分合同新聞でも同様な環境の下、危険運転致死傷罪の不備を追及し法改正に至らしめたキャンペーン報道が、新聞協会賞の候補に挙がるなど気を吐いている▼米国では各地で地方紙の休刊や廃刊が相次ぎ〝ニュース砂漠化〟が進む。地元議会など行政をチェックする報道が減り、政治の横暴、腐敗がはびこっているという。深層を掘り起こし社会に警鐘を鳴らす地方の新聞記者たちの奮闘にエールを送りたい。(マサ)


