クーラーさまさま
2026年08月07日
うだるような暑さが続くこの夏、改めて、何よりありがたく救世主にも感じる存在が「クーラー(エアコン)〝様〟」である。熊本地震では避難所の多くに満足な冷房がなく、暑さとの厳しい闘いが続いているが、もしこの世にクーラーがなかったら…この夏などは高齢者の半数近くが熱中症で死亡しているのではないか。20世紀初めにクーラーを発明した米国技術者キャリアさんという方に感謝、感謝である▼ところで、貴方はいつ頃クーラーを使い始めましたか?当方ははっきり覚えている。今から41年前、1985(昭和60)年の話だ。それまで大分市内のわが家にはクーラーなどなかった。今のような暑さではなかったし、古い木造の日本家屋は風が通って涼しかった▼その年の4月、転勤で日田市の社宅に住むことになった。夏になって驚いたのはその暑さ。さすがに今夏、九州初の酷暑日を記録した日田市である。大分市とは別格の暑さだった。社宅にはクーラーがあり、生まれて初めて冷房のある暮らしを体験した▼日本で家庭用クーラーが普及したのは60~70年代。価格が下がり、高度経済成長で所得が増えたことなどから普及したという。この頃はカラーテレビ、マイカーと並ぶ「新三種の神器」と呼ばれ、憧れ重宝された▼さて、クーラーなどなかった時代の日本人はどうやって暑さをしのいでいたのか―。縁側で涼んだり、障子やふすまを開けて風を通す工夫をしたり、打ち水や井戸水など水を使って涼を求めた。そうめんやスイカなど体を冷やす食べ物や、風鈴など五感でも涼しさを感じて夏を過ごした。省エネで風情のある夏の暮らしだった。だが令和の猛暑にそんな風情は通用しない。本当は昔のような自然の涼がいいのだが…仕方なく「クーラーさまさま」となるのである。(マサ)


