大分建設新聞

四方山

暴走司会者

2026年08月24日
 皆が寝静まった未明から朝方の5時ごろまでぶっ通しで4時間余り、激論を繰り広げる月1回の討論ナマ番組があった。論客を取り仕切るその司会者は、しょっちゅう人の発言をさえぎって持論を押し付けた。机をたたいて「うるさい!」と暴言を吐いた▼「朝まで生テレビ」。テレビ朝日で1987年から60年以上続く長寿番組だ。初回からその司会役を務めてきたのが御年92歳のジャーナリスト田原総一朗さんである。彼の年齢もあって、今年から夕方1時間の録画放送になり、あの長時間ナマの激論が失せたのは残念だ。田原さんは第一線で評論・言論活動を続けているが、最近はあまり人の発言もさえぎらず、おとなしくなっている感もある▼彼が若く元気な頃の番組にはド迫力があった。テレビではタブーといわれる天皇の戦争責任や部落差別、宗教問題なども真っ向から取り上げた。オウム真理教、統一教会の関係者や右翼の大物も出演させ、際どくやり合った。故人となった野坂昭如氏と大島渚氏は初期の名物論客。2人は殴り合いの大喧嘩をした仲だが、司会の田原さんとも「バカヤロー」とやり合うなど白熱したバトルで番組を盛り上げた▼戦争を体験している田原さんは、特にこの国の未来・平和に関しては一歩も引かず持論を展開した。今は険悪な日中関係の大切さも強調し、中国関係者との討論も企画した。他の番組では高市首相のことを「死んでしまえと言えばいい」などと暴言を吐いて批判されたこともあった▼「朝まで…」はかろうじて続いているが、あの激しさはもうない。独断的な司会には批判もあったが、一家言を持って論客と渡り合う人でなくては、あの見応えのある激論は生まれなかった。「番組中にぽっくり行きたい」と常々言う老司会者の後継ぎは見当たらない。(マサ)
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