変わる帰省の形
2026年08月25日
お盆の帰省は結婚してから当り前の行事だった。特に夫の実家では「盆と正月は家族が揃うもの」と決められていて、帰省しない選択肢はなかった。お墓の掃除に始まり親戚宅への訪問、食事の準備など座る暇もなく、家事は女性の仕事といった習慣の田舎に帰るのは憂鬱でしかなかった。これは「帰省ブルー」と呼ばれる症状の一つだという▼親族一同が同じ日程で大移動し、一つの実家に泊まるという昔からの習慣自体に無理があるのではと思う。久しぶりに懐かしい親族の顔は見たいが、交通費や渋滞で気疲れするなら家でのんびりしたいと思うのも無理はない▼最近では、夫婦が別々にそれぞれの実家に向かうセパレート帰省や、親が子どもの暮らす都会へ出向く逆帰省もあるという。さらには、食事を楽しみ祖父母が孫と遊んだ後は、実家に泊まらずホテルを利用するホテル帰省など、新しい形が生まれている▼私もここ数年、長期休暇は一人で息子家族が住む東京に逆帰省し、娘もセパレート帰省で合流するようになった。普段共働きで子育てする息子夫婦に少しでも楽をさせたいと思う気持ちで行くため、寝てばっかりで役に立たない旦那は留守番役▼テーマパークや飲食店は混雑するものの、飛行機や電車は案外空いていて普段より移動しやすい。東京に滞在中は料理、片付けが私の担当で、息子家族においしいご飯をたくさん食べてもらうことが何よりの楽しみ。子どもや孫たちと過ごす時間が長いほど、帰るときは寂しすぎて号泣してしまう▼帰省する若者が減り、迎える側も高齢化する中、双方が無理せず家族が気軽に顔を合わせることが望ましい。帰省の形はさまざまだが、私は今後も逆帰省で、孫の成長を見守りながら子どもたちと楽しい時間を過ごしたい。もちろん一人で。(望)


