大分建設新聞

四方山

傑作

2026年09月07日
 前衛芸術家の草間彌生さんが先月、97歳で亡くなった。10歳のころ幻視に現れた水玉を描き始めてから80年余り、筆は止まらなかった。東京の病院で暮らしながら毎日アトリエに通った。対談したタレントの香取慎吾さんは、草間さんが話をしながらもずっと絵を描き続けていたと振り返った。公式サイトは「亡くなる直前まで絵筆を手放すことなく」と伝えた▼寝る間を惜しむという点では、高市早苗首相も引けを取らないらしい。7月20日夜のX(旧ツイッター)に、週末は分厚い政策資料を早朝から深夜まで読み続けたと書き、就任以来「0時間~3時間睡眠が常態化」していると明かした。多忙ぶりのアピールは、かえって物議を醸した▼さすがに気になったのだろうか。8月24日、地元・奈良県の天理市長と官邸で会った際には、奈良産の漢方が入った飲み物を就寝前に飲んでいると明かし、「睡眠をしっかり取れるようになった」と語ったという。何よりである。ただし、高市氏の8月のX投稿は87件。今年では、衆院選のあった2月に次ぐ多さだった。睡眠を取りつつ投稿まで増やしたのなら、故郷の漢方の効き目はなかなかのようだ▼その勤勉さを見習った方がよさそうなのが、事実上、分裂に向かう中道改革連合だ。元はと言えば、2月の衆院選直前、立憲と公明の衆院議員だけが先に飛び出してつくった急ごしらえの党である。参院議員も地方組織も残したままの見切り発車であり、その後進めた両党との全面合流構想も、わずか7カ月で破談となった▼では、立憲出身の21人がまとまるのかと思えば、一人一人に意向を聞く段階だという。結集後の青写真どころか、破談後の身の振り方までこれから相談らしい。草間さんは下絵なしで傑作を生んだが、こちらは下絵も完成図もなかったようだ。(熊)
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