大分建設新聞

四方山

こじつけ

2026年09月09日
 「まんじゅうや」「だんごさん」という言葉が、和菓子店を家業とする候補者への一票になるのか。昨年11月に行われた茨城県神栖市長選でそんな珍騒動が起きた。和菓子店は創業120年以上という老舗だが、東京高裁は「飲食店の種類を表す普通名詞」と断じ、無効と判断した。ことほどさように一票の世界は、こじつけがきかない▼それに比べたら記念日の設定は、大らかなようだ。8月30日が「中津ハモの日」であることをご存じだろうか。2021年、中津魚市場の申請で認定された。脂が乗る八月を「ハ」に、30の「3」を左に90度回して「m」にし、「0」と合わせて「mo=モ」。力業である。とはいえ、11月11日を「鮭」の「圭」が「十一十一」に見えるから「鮭の日」に決めたと聞くと、中津ハモの日が真っ当に思える▼さて、文字をひねった次は、路線を引く話である。50年以上「塩漬け」だった東九州新幹線構想について、国交省が初めてケーススタディーの対象に選んだ。需要や駅の位置、ルートなどを調べる。佐藤樹一郎知事は「極めて大きな第一歩」と歓迎のコメントを出し、県内はいよいよ新幹線が走り出すかのような盛り上がりである▼ただし国は、整備計画への格上げに直結しない「法定外の調査」と念を押す。冒頭の話は法廷、こちらは法定外。そうは言っても、半世紀越しの悲願だけに期待は膨らむ。大きな声では言えないが、鉄路と政治は無縁ではない▼リニア中央新幹線計画には、ルート上の山梨選出の金丸信・元自民党副総裁が大きな役割を果たしたとされる。東九州新幹線の起点となる福岡県には政界の重鎮、麻生太郎・自民党副総裁がいる。「法定外」の二文字に政治の力学まで読み込みたくなるが、さすがに「中津ハモの日」以上のこじつけというものだろう。(熊)
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