永田町の妖怪
2026年10月19日
臼杵の城下町に、妖怪の博物館がオープンした。「にほん妖怪博物館もののけ御殿」。古民家を改修した館内に、鬼や天狗の面、掛け軸など4000点以上。妖怪にも種類があるという。例えば「付喪神」は、道具が100年を経て変じた妖怪である。一方で姿を見せないのが「物の怪」である。生霊や死霊が人に取りついて、病などの災厄をもたらす▼さながらこちらは、令和の「物の怪」であろうか。相次ぐ不正アクセスによる個人情報の漏えいである。セキュリティー会社の集計では、今年1月から今月15日までに、漏えいした恐れのある個人情報は延べ1億6500万人分に上るという。本県も無縁でない。県や大分市などでも、大量の個人情報の流出が疑われている▼目に見える妖怪といえば、中道改革連合かもしれぬ。1月に立憲民主党と公明党の衆院議員が合流して結党したが、2月の総選挙で大敗。9月には49人のうち1人だけを残して48人が離党した。公明系28人は古巣の公明党に戻り、残る立憲民主党系の大部分は新党「民主改革の会」をつくった▼中道改革連合に残った1人は立憲系議員。清算業務のために党を存続させるという。ところが、党が存続すれば、今年の政党交付金の未交付分約11億7000万円を受け取れる。党側は総選挙の経費に未払いがあり、支払いを終えなければ解党できないと説明する。もっとも、事実上解体した政党に巨額の交付金とは、キツネにつままれたような話だ▼原資は国民の税金である。「中道」は、政治とカネの問題には敏感な党だったはずだ。未交付分は受け取らず、国庫に残すのが筋ではないか。2014年に解党した「みんなの党」は、残った政党交付金の返納を決めた。昔の物の怪は人に取りついたが、永田町の妖怪は税金に取りつくようだ。(熊)


