河川敷のコスモス
2026年10月22日
河原をなでる初秋のさわやかな風にピンクや赤のコスモスが揺れている。大分川の舞鶴橋下流の河川敷にある階段状の斜面は、8月のおおいた「夢」花火では観客がびっしりと座る無料の特等席だ。距離にして200㍍ほどのそのコンクリート階段に縦横1~1・5㍍ほどの小型花壇などが約40カ所設置されていて、何事もなかったようにコスモスが咲き乱れている▼「何事もなかったように…」というのは、酷暑だったこの夏、梅雨明けから8月中は雨がほとんど降らずカラカラ天気が続いた。花壇は土床が浅く、放っておけばコスモスは全て枯れてしまう運命にあった。猛暑の中、懸命の水やりでコスモスの命を救ったのは、近くに住む古賀邦彦さん(87)▼経営していたうどん店をやめた後、もう15年以上も前から花壇への水やりを、松尾典高さん(75)、島田富士子さん(92)と共に続けてきた。ただ、水道のある公共トイレと花壇とはかなり距離があり、夏に大きなペットボトル十数本に水を汲んでは、何回も運ぶ重労働だった。昨年、古賀さんが私費で延長ホース3体を購入し、つなぎ合わせて水やりをしてきた▼今夏は松尾さん、島田さんが体調を壊して古賀さんが孤軍奮闘。だが高齢な身には広大な面積への水やりは過酷な作業で後継者も見当たらず、国や大分市に「猛暑は毎年続くが年齢的に限界。希望者に花壇の世話を引き継いでほしい」と訴えてきた▼そのかいあってこのほど、それぞれの小型花壇を、地域の希望者に自分の花壇のように自由に使ってもらえることに。古賀さんは「やっと肩の荷を降ろして水やりから引退できそうです。きれいな花壇がずっと続いてほしい」と喜んでいる。花壇についての問い合わせは、国交省大分河川国道事務所大分出張所(℡097〈558〉7142)へ。(マサ)


