犬と認知症
2026年10月23日
空前のペットブームを背景に、ペット愛好者の多くが犬や猫などを家族と考え、「それ以上の存在」という人も増えているという。国勢調査でペットをどこに記入するのかと聞く人がいたり、離婚した夫婦がペットの〝親権〟を争う裁判もあるとか。犬専用のケーキや和菓子、おせち料理、果ては犬のエステやヨガまであるというから驚く▼さて、そのペットの中でも国内に680万匹いるという犬の話。犬の人間への驚くべき貢献度、特に高齢者や、高齢者を抱える家族の方々には耳よりな話が先日の大分合同新聞に載っていた▼国立環境研究所などの研究チームが東京都内の高齢者1万人余りを7年半にわたって追跡調査した結果である。驚くことに、犬を飼育している人はしたことがない人に比べ、介護を要する認知症の発症リスクが48%も低かった―というのだ▼調査は65~84歳を対象に「犬を飼育している」「過去に飼育していた」「飼育経験なし」の三つに分類し認知症発症との関連を調べた。今は飼っていなくても過去に犬を飼った経験がある人も、ない人に比べ発症リスクが25%も低いというデータが得られた▼どうして犬を飼うと認知症になりにくいのか?その要因として研究チームは〝癒し〟といった精神的効果や、犬との散歩で、活動や人との交流が増え規則的な生活習慣が維持できる―ことを挙げている。ペットによる癒しは定説だが、認知症を防ぐ効果を追跡調査し、数字で実証したのには価値がある▼犬の場合は猫と違って「一緒に散歩する」ところがミソなのだろう。今朝も近くの河川敷で犬を散歩させている人をたくさん見かけた。認知症予防が目的で犬を飼っている人は少ないだろうが、「この人たち、きっとボケないんだろう」と思いながら、のどかな光景を見ていた。(マサ)


