大分建設新聞

四方山

サイバー攻撃

 
2026年10月28日
 難攻不落をうたわれた岡城のお膝元で、城門は内側から開けられていた。竹田市の50代の男性職員が他課のアカウントを使って庁内ネットワークに入り込み、市民や職員の情報約6万件を手に入れていた。人事への興味が動機と話し、2018年ごろから行っていたというから開いた口が塞がらない▼とはいえ、敵は内側よりも、外から攻めてくる。MM総研によると、今年1~9月に国内で公表されたサイバー攻撃による情報漏えい事案は454件。前年同期の約1・5倍だ。便利さの裏で個人情報は集められ、危うい網の上に積み上がる▼「バグマゲドン」という物騒な言葉まで登場している。プログラムの欠陥を意味する「バグ」と終末戦争「ハルマゲドン」の合成語。AIが欠陥を見つける速さに、人間の修正が追いつかない事態を指す。世界のウェブサイトの7割を支えるプログラム言語「PHP」に、10年以上眠っていた欠陥が見つかり、行政機関、民間企業のウェブサイトの閲覧停止や、サービスの取りやめが相次いだ▼漏れた個人情報は何に使われるのか。最悪の事態が起きている。GMOインターネットグループのサーバーが攻撃され、FX(外国為替証拠金取引)の売買が勝手に行われ、数秒で数百万円の損失が出たと訴える利用者もいると報じられた。ネットセキュリティー事業も手掛けているはずの同社だが、手に負えず政府に「能動的サイバー防御」の適用を要請する事態に追い込まれた▼本県を代表する百貨店トキハが昨年3月にサイバー攻撃を受け、経営が揺らいだことは記憶に新しい。専門家は、経営規模にかかわらず全企業が標的になっていると警鐘を鳴らす。瀧廉太郎が岡城をしのんで作曲した「荒城の月」。「昔の光いまいずこ」と嘆く前に、自らの石垣を点検しておきたい。(熊)
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